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2010年4月15日木曜日

SEIKO IGNITION SBHL005

SEIKO IGNITION SBHL005
ケース44×46.5×12.2mm ラグ幅22mm

SEIKOのデジアナSBHL005です.すでに廃盤となった「イグニッション」シリーズのモデルです. ケースはチタン+ダイヤシールド,ベルトは硬質ウレタンとステンレスの組み合わせとなっており,非常に軽量です.風防はサファイヤガラス+無反射コーティングで,1種耐磁もあり,頑張った作りになってます.ケースは気持ちいいくらいにエッジが立ってますね.デザインもSEIKO独自のスポーツ指向で,とてもカッコいいです.この価格帯(定価84,000円)としては,SEIKOが本気で作ったデジアナではないでしょうか.

この時計はかなり前から気にはなっていたんですが,チタンで軽量と言えどもケースサイズが大きい(44mm幅)ということもあって購入を見送ってました.ですが,現行モデルから外れたのと,中古がちらほら出始めたので,このたび程度の良いものを入手しました.

実際に腕に着けてみると,サイズの大きさはそれほど問題とはなりませんでした.というのも,ケースサイズは44mmですが,べゼル径でみると40mmです.そして,べゼル外周の横方向にはケースが張り出してますが,縦方向にはケースは出っ張ってません.ですので,縦方向に見ると,40mm径の時計となんら変わりないということになります.縦方向に大きい時計は腕の上でゴロゴロしてしまいますが,横方向は多少大きくなっても大丈夫なのでした.しかも,ラグが短くてが腕にぴったりくるデザインですし,厚みもこの大きさの時計としては薄めの12.2mmで,なによりも軽いチタンケースなので,非常に爽快な装着感です.それでいて,横方向の厚みがあるので見た目の存在感は抜群です.SEIKOもなかなか良く考えてデザインしてるなあと思いました.

これまで腕時計は38mm径ぐらいがベストと思ってましたが,40mm径も悪くないなと思いました.というのも,38mm径以下だと装着しているうちに腕の外側に時計が回ってしまう場合があるのですが,40mmだと回転せずに腕の上で収まってくれます(ラグのデザインにも寄りますが).チタンという素材のすばらしさも再認識しました.軽いということは気持ちいいものですね.


この時計をサイドから見ると,プッシャーとケースサイドに切れ込みが入れてあり,エンジンのヒートシンクのようです.イグニッション(点火装置)シリーズということで,エンジンを連想するデザインにしてあるのでしょう.他にない独特な感じでいいですね.文字盤のデザインも回転するエンジンのようです.

このデジアナシリーズにはSBHL001,003,005と3種類のモデルがあり,このうちSHBL001はケースだけでなくベルトもチタンとなっており,ベゼルもステン色で,ややおとなしいデザインです.SBHL003と005は同デザインの色違いです.他に,海外モデルでSBHL007,009とあり,よりスポーツ指向の強いデザインとなっています.個人的な好みとしては,SBHL001はちょっとおとなしすぎで,逆に海外モデルはカジュアルすぎるので,SBHL003か005ということになりますが,甲乙付け難いところです.005の方がやや派手で,ベゼル内周の銅色のリングがアクセントとなっています.

ただ,どのモデルもあまり売れなかったんでしょうね.今はこの手のデジアナモデルはSEIKOのラインナップからはなくなってしまいました.私としては,他人と違う時計が好みなので,売れてないのはむしろ幸いですが...

ムーブメントは H024で,これはSEIKOスポーチュラシリーズの海外モデルSNJ019,SNJ023P1などにも使われています.このムーブの特徴としては,1/1000秒クロノがあることと,液晶の内周部分で,小さな液晶マーカーの集まりで秒表示がされることでしょうか.他に,アラームと時報機能があります.液晶は反転表示ですが,金色っぽくてとても綺麗ですし,意外と見やすいです.他の多くの時計では反転液晶は見づらいですが,この時計は何か工夫があるんでしょうね.あと,デモ機能があって,液晶表示が動きまくります.

不満点もやはりあります.第一にはバックライトがないことですね.これは本当に残念です.文字盤のインデックスと針には夜光が塗ってあって夜でも結構明るいのですが,デジタル部は暗所では全くダメですね.第二の不満は,アナログとデジタルの連動がいまいちなことです.この時計はアナログとデジタルは秒単位で自動的に連動するようになっているのですが,私の個体だけの問題かもしれませんが,アナログ側の長針が常に1/4分ほど進んでしまいます.また,アナログとデジタルを連動させる方法が結構ややこしいです.アナログ側の遅れが1分以内ならば自動的に連動してくれますが,それ以外の場合はアナログ側をわざと遅れ気味に合わせておいてから,デジタル側と連動させないとうまくいきません.また,アナログ側の制御用モーターが1個しか搭載されていないらしく,時針と分針を別々に合わせられず,しかも,逆回転できないことから,時間を1分だけ遅らせたい,というような場合に非常に時間がかかってしまいます.このあたり,最新の技術で設計したはずのムーブなのに,利便性という面では古いデジアナムーブや6M15あたりに余裕で負けてると思います.個人的には,アナログとデジタルは無理に連動させずに,アナログだけ独立に竜頭で時刻合わせできるようにしてくれた方がいいですね.

第三の不満は,ワールドタイム機能(第二時間帯表示)がないことです.現代の技術でデジアナムーブメントを設計するんだったら,ワールドタイム機能ぐらい付けておいてくれたらいいのにと思います.中途半端にデジタルとアナログが連動しているので,一方だけを現地時間に合わせるという使い方はやりにくいです.最後の不満は,ベルトの硬質ウレタン部分にバリ(成型跡)が残りまくってることですね.まあそれほど目立ちはしませんが.定価8万円以上もする時計としては考えられないようなお粗末さです.自分でバリを削り取ればいいんでしょうけど,失敗したら嫌なのでとりあえずそのままにしてあります.

と,いろいろと不満点も書きましたが,オールドデジアナ好きの私としては,オメガのX33あたりの古き良きデジアナ時計を髣髴させるあたりが大変気に入ってます.現代のデジアナでは,CASIOのオシアナス/エディフィスやCITIZENのアテッサ/プロマスターなどの方がメジャーですが,SEIKOイグニッションは新素材を使った現代のデザインでありながら,少しレトロな感じがするところが良いですね.絶版になった今となっては,時流に取り残されたデザインと言えるかもしれないですが...

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1 件のコメント:

  1. 同じの持ってます。もう10年になります。バンドも3本。ついに最後の一本が切れてしまいました。もう入手できないようですが、どこかで見つけたら復活させたいと思います。時計自体は元気なんですがねぇ。

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